皆さんはパラベンという物質をご存知でしょうか。
化学的にはパラヒドロキシ安息香酸エステル、パラオキシ安息香酸エステルと呼ばれる物質ですが、化粧品や食品の防腐剤として広く利用されています。[1]
パラベンは人体に重度な影響をもたらさないと考えられており、一定の使用基準のもと、食品添加物として活用されるケースが多く、例えば醤油(しょうゆ)に含まれるパラベンは1リットル中0.25グラム以下とすることなどというように規定されています。[2]
ところが、一つ一つの製品内に含まれているパラベン量がたとえ規定範囲内であったとしても、様々な食料品を同時に摂取することがパラベンを多量摂取することに繋がり、結果として生殖機能異常が引き起こされる可能性があるということを静岡大学と東洋大学の研究チームがこの度明らかにしました[3]
実際の研究では、20歳以上の成人女性および1歳から3歳の幼児を対象に、4種類のパラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン)の皮膚中における曝露量‘(皮膚中にどれほど分布しているか)が測定されました。
その結果によると、成人女性の曝露率は幼児の曝露率の2倍から3倍程度であることが判明し、メチルパラベンとエチルパラベンについては問題がなかったものの、プロピルパラベンおよびブチルパラベンについては生殖機能の異常をもたらす可能性があるほどのレベルであったと結論づけられました。
一つ一つの食品に含まれているパラベン量が規定範囲内であっても、色々な形で私たちの体内に入る可能性があるため、結果として知らず知らずのうちに多量摂取してしまっているということも十分に考えられます。
では、具体的にどういった商品にパラベンが含まれているのかということですが、栄養ドリンクにはパラベンが含まれていることが多く、例えば、佐藤製薬のユンケル黄帝液[4]やエーザイのチョコラBBドリンク[5]、武田コンシューマーヘルスケアのアリナミン[6]といった有名な栄養ドリンクにはいずれもパラベンが含まれています。
栄養ドリンクを頻繁に飲まれる方でもし気になる方は、今一度成分表を確認されても良いかもしれません。