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DHAとEPAの効果とは?摂取目安量と服用時の注意点

Written by Ryuichi Yamashita

魚などに多く含まれ、健康に良いとよく聞くDHAとEPA。
一体どんな特徴があるのでしょうか。
効果や摂取目安量、服用時の注意点や購入方法について調査しました。

1. DHAとEPAとは

1.1 DHAとEPAってそもそも何?

DHAとは、英語名でDocosahexaenoic acidと言い、日本語ではドコサヘキサエン酸と呼ばれる化学物質(分子)です。化学式ではC22H32O2と記載されたり、CH3CH2(CH=CHCH2)6CH2COOHと記載されますが、実は、名前と化学式の間には密接な関係があります。

というのも、”Docosa/ドコサ”は”22”を意味し、”Hexa/ヘキサ”は”6”を意味するので、”DocosaHexa/ドコサヘキサ”という部分で、C(炭素原子)が全部で22個含まれ、そのうち二重結合(=の部分)が全部で6個あるということを意味しているのです。

一方のEPAとは、英語名でEicosapentaenoic acidと言い、日本語ではエイコサペンタエン酸と呼ばれる化学物質です。化学式ではC20H30O2と記載されたり、CH3CH2(CH=CHCH2)5(CH2)2COOHと記載されますが、こちらもDHAと同様に名前と化学式の間に密接な関係があります。

”Eicosa/エイコサ”は”20”を意味し、”Penta/ペンタ”は”5”を意味するので”Eicosapenta /エイコサペンタ”という部分で、C(炭素原子)が全部で20個含まれ、そのうち二重結合(=の部分)が全部で5個あるということを意味しているのです。

1.2 DHAとEPAが実は液体って本当?

不飽和脂肪酸という名前を聞かれたことがあるかもしれませんが、DHAとEPAともに、この不飽和脂肪酸に分類されます。ここでいう不飽和というのはDHAとEPAに含まれる二重結合(=の部分)のことであり、H(水素原子)がまだくっつく余地がある(飽和状態ではない)ということを意味しています。

不飽和脂肪酸はこの二重結合の部分で分子が折れ曲り、ジグザグ構造のような形となるため、飽和脂肪酸(二重結合が一切ない脂肪酸)に比べて分子同士が並びにくいという性質を持っています。分子同士が並びにくいということはバラバラになりやすいということであり、個体の形を維持しにくい、つまり簡単に(比較的低温で)液体になりやすいという特徴があります。

実際に個体から液体に変わる温度である融点をみると、飽和脂肪酸は40〜80℃と高い傾向がある一方で、不飽和脂肪酸は0℃以下と低くなっているものが多く、DHAの融点は —44.3℃、EPAにいたってはー54.1℃などとなっています[1]

DHAやEPAが魚に含まれていることは有名ですが、たとえ海水温が0℃近くまで低下したとしても液体として魚の体内で安定的に存在できるということから、生物の進化上、魚類の体内に存在し続けることができている化学物質であるということが言えるでしょう。

2. 主な効果効能

京都大学の調査[2]や国立がん研究センターの調査[3]、アメリカのニューヨーク州アルバニー薬科大学の調査[4]によると、DHAやEPAは我々が生涯を通じて摂取し続けることが重要であり、特に以下の効果があるとされています。

2.1 体内脂肪の減少

私たちの体を構成する脂肪には大別すると、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2つが存在しますが、白色脂肪細胞は脂肪を蓄える役割を果たす一方で、褐色脂肪細胞には脂肪を燃焼させる働きがあります。

DHAやEPAを摂取することで褐色脂肪細胞に含まれるUCP1というタンパク質が活性化され、エネルギー代謝が向上するということが近年その仕組みとともに明らかになっています。

具体的には、DHAやEPAが胃や小腸に分布するTRPV1(トリップブイ1)という受容体(イオンチャネル)に働きかけ、交感神経が緩やかに活性化、褐色脂肪細胞内に含まれるUCP1を発現させる、というものです。

ちなみにこのTRPV1という受容体はトウガラシの辛味成分であるカプサイシンの受容体としても知られています。辛いものを食べれば痩せる、ということを聞かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、科学的にはそれなりに根拠のある説と言えそうです。

2.2 虚血性心疾患リスクの軽減

虚血性心疾患とは、動脈硬化などが原因で心臓にうまく血液が運ばれないために引き起こされる疾患のことで、狭心症や心筋梗塞などを意味します[5]

国立がん研究センターによれば、魚の摂取量が1日あたり20g程度のグループに比べ、一日あたり50g以上摂取するグループでは虚血性心疾患になるリスクが最大で40%も低下したという調査結果が報告されています。

実際に、DHAやEPAは抗炎症作用や酸化ストレス*を抑制する役割があるとされており、具体的には、心血管疾患の発生リスクと密接に結びついているとされているCRP(C反応性タンパク)というタンパク質を減少させることが判明しています。

*酸化ストレスとは・・・体内で発生した活性酸素が細胞を攻撃する状態。正常な細胞では、活性酸素が発生したとしても酵素などで除去されるシステムが形成されています。

2.3 胎児の健全な発育

母親が妊娠中に摂取することにより胎児の健全な発育が促されるとされています。いくつかの研究成果が発表されていますが、(正常な範囲で)妊娠期間が長くなり、出生時の体重が重くなるなどの傾向があるとされています[6]

また、子供が生まれ幼児となった段階で免疫力が強くなる傾向があり、食物アレルギーの発生率が低下するという調査結果も報告されています。

具体的な摂取目安量という観点では、アメリカ合衆国保健福祉省の公表データによれば、妊娠中または授乳中の妊婦はDHAとEPAを合わせて一日あたり300〜900mgほど摂取する(実際の食事の量に換算すると、1週間におおよそ200gから350g程度の魚を食べる)ことが望ましいとされています。

2.4 その他

非常に軽度のアルツハイマー病患者にとって、DHAやEPAは予防や体重管理、認知機能の改善という観点で一定の効果があるとされる研究結果が発表されています。

特に、アルツハイマー病患者は体重が減少する傾向にありますが、あるグループを対象として行われた研究では、DHAやEPAの摂取によりグループメンバーの体重が増加したという報告がなされています。

ただし、一定程度病状が進行しているアルツハイマー患者(ミニメンタルステート検査*で15点程度)にとっては認識機能の低下を抑制できたという結果は得られておらず、進行の程度のよりDHA、EPAの有効性は変化するとも考えられています。

*ミニメンタルステート検査とは・・・合計で30点満点のテストで、「今日は何日か?」という時間に関する質問や「ここは何県ですか」という場所に関する質問などで構成されるテスト。多くの場合、23点以下で認知症と判断されます。

3. 摂取目安量と服用時の注意点

3.1 摂取目安量

健康増進に良いとされているDHAとEPAですが、一日あたりの摂取目安量についてはどのようになっているのでしょうか。

実は世界的な基準は無く、国ごとに摂取目安量は異なっているようです。アメリカにおいては上述の通り、一日あたり300mg〜900mg程度と1gを超えない量が推奨されています。

一方の日本では2015年に厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」に基準値の記載があり、それによれば一日あたり成人男性で2g程度、成人女性で1.6g程度が基準値として定められています[7]

3.2 服用時の注意点

DHAとEPAの一日あたりの摂取目安量は上述の通りですが、摂取量の上限についても国ごとに異なっています。

米国食品医薬品局(FDA)によれば、摂取量は1日あたり3gを超えない範囲では安全であるとする一方で、欧州安全食品機関(EFSA)では5gを超えない範囲で安全であるとしています。

多量に摂取した際に効用が増えるかというとそのような事例は現状明らかにされておらず、逆にリスクが増える可能性が指摘されているため、男女ともに一日あたり2g程度摂取すれば十分と言えるでしょう。

4. 利用者の口コミや感想

DHAやEPAの効果は上記のように様々な効果が研究では実証されています。しかし、研究と現実は結果が違うことも少なくありません。そこで、実際のDHA・EPAの利用者が投稿した口コミを調査しました。

数年前から中性脂肪値が高く、昨年の健康診断で483でした。今年の健康診断はお試しのつもりで30日前から毎日飲んで挑んだところ202まで改善されておりました。運動などは苦手なので一切しておらず、個人差があるとは思いますが、かなり効果があったと思います。手軽に継続出来そうなので、今回は60日分とEPA(総コレとLDLコレ値が悪かったため)も合わせて購入しました。

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健康診断で中性脂肪が230になってしまい、同社のEPAと共に飲んでみました。翌年の健康診断では、中性脂肪がなんと121になっていました。サプリメントでこんなに効果が出たのにビックリです。

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中性脂肪が下がるという口コミがありましたが、摂取期間は人によってそれぞれ違うようです。一方で、効果を実感できない、という方も一定数いらっしゃるようです。

サプリメントにはまって色々試しているが、変化がわからないので、この評価(星3つ/星5つ中)にしました。

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この様なサプリメントは効果が有るとか無いとか直ぐには解らないし、ひょっとすると飲み続けても効果が有るかどうか解らない子もしれない、要は自分の気持ちの問題。ただし、1ヵ月経過後では中性脂肪等の数値は変化しない事は確か。

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サプリメントの大きさの違いなどによって、飲みやすいものや飲みにくいものに個人差があるようです。サイズ、価格帯、生産国などを総合的に考慮して、購入されるものを選択されるとよいでしょう。

5. 購入方法と最安値

Amazonでも購入することができますが、山田養蜂場などの通販サイトから購入することができます。

Amazon:
・DHC DHA (20日分) 80粒
価格:¥1,032
URL:https://amzn.to/2KPzLfq

・さくらの森 きなり 国産DHA・EPAサプリメント 120粒入 約1か月分
価格:¥6,150
URL:https://amzn.to/324c1cO

山田養蜂場:
DHA+EPA
価格:¥2,600(税抜き) 150球
URL:https://www.3838.com/kenko/item/28044/review/

6. まとめ

様々な効果が科学的に実証されているDHA、EPAですが、一日あたりの摂取目安量は2g程度あれば十分とされています。

ただし、過剰摂取には注意する必要があり、一日あたりでは多くとも5gを超えないようにした方が良いでしょう。

体内脂肪の減少や虚血性心疾患リスクの低減などの効果を期待することができるため、これらの健康状態が気になる方に特にオススメです。

商品を選定する際は、価格や生産国(国産にこだわるかどうか)などを考えて購入されるとよいでしょう。

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Ryuichi Yamashita

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