健康に良いと聞くことが多い葉酸(ようさん)。
特に、妊娠中の女性は積極的に摂取した方がよいとも言われていますが、一体どんな特徴があるのでしょうか。
効果や摂取目安量、服用時の注意点や人気のサプリについて調査しました。
(参考サイト:https://ods.od.nih.gov/factsheets/Folate-HealthProfessional)
目次
1. 葉酸とは
1.1 なぜ葉酸と呼ばれる?
葉酸とは、ビタミンB群の1つで、ビタミンB9やプテロイルグルタミン酸とも呼ばれる化学物質(分子)です。プテロイルグルタミン酸という名前の通り、化学的にはプテロイン酸(C14H14N6O3)にグルタミン酸(C5H9NO4)が1つまたは複数結合した形で存在しています。
英語名ではFolic acidやFolateと呼ばれますが、その語源はラテン語のfolium(葉っぱを意味する単語)から来ています。植物の葉に多く含まれることからこのような名前が付けられたのですが、日本語ではそのまま葉酸と翻訳、名付けられました。

1.2 食品に含まれる葉酸とサプリメントに含まれる葉酸は違う?
葉酸は我々が普段口にする食べ物の中では、ほうれん草や春菊、納豆などに特に多く含まれていますが、植物性食品だけではなく、鶏肉や牛肉のレバーなど動物性食品にも多く含まれています。
ただし、食品の中に含まれている葉酸とサプリメントの中に含まれている葉酸には多くの場合違いがあり、食品中の葉酸はグルタミン酸が複数結合したポリグルタミン酸型として存在しているのに対し、サプリメント中の葉酸はグルタミン酸が1つ結合したモノグルタミン酸型として存在しています[1]。

ポリグルタミン酸型の葉酸も、調理や消化という過程を経て人体に吸収される際にはモノグルタミン酸型の葉酸になりますが、消化管における吸収効率の違いや代謝の影響のため、体内の利用効率が低下します。
厚生労働省が2010年に発表した「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によればポリグルタミン酸型(食品中)の葉酸の利用効率はモノグルタミン酸型(サプリメント中)の葉酸に比べて50%程度低下するとされています[2]。
また、一般的にビタミンB群はビタミンCと同じく水溶性ビタミンであり、水に溶けやすいという性質があります。葉酸も例外ではなく、お湯などに入れて加熱調理すると食品中から溶け出してしまいます。
そのため、調理方法などを十分に意識せずに料理をしていると、摂取したつもりでも実はきちんと摂取できていないということになりかねません。妊娠中の女性など、特に摂取が求められている方は普段の食事だけでなくサプリメントの形で補給されるとよいでしょう。

2. 主な効果効能
葉酸はDNA合成に関わっていることからも重要な化学物質とみなされています。胎児の健全な発育に欠かせない物質として有名ですが、虚血性心疾患リスクを低減する傾向が見られるなど様々な効果が明らかになりつつあります。
2.1 胎児の健全な発育

葉酸は何と言っても胎児の健全な発育に欠かせません。胎児の脳や脊髄を形成する元となるものを神経管と言いますが、葉酸が欠乏すると神経管閉鎖障害*を発症するリスクが高くなることが一連の研究から明らかにされています[3]。
これは、葉酸がDNA合成に関わっており、胎児の細胞分裂が盛んな妊娠初期などは特に必要不可欠な物質であるからと考えられています。
実際にイギリスの研究グループによると、妊娠前4週から妊娠12週まで葉酸を一日あたり4mg摂取したグループは、葉酸を摂取しなかったグループに比べて胎児が神経管閉鎖障害を発生するリスクが72%低下するという研究結果が発表されています[4]。
*神経管閉鎖障害とは・・・神経管は通常妊娠6週目頃に完成します。胎児の成長とともに上部部分(頭の部分)はやがて脳となり、下部部分(お尻の部分)は脊髄になりますが、通常は神経がむき出しにならないよう菅状の構造を持つ(閉鎖する)ように形成されます。この時に起きる障害を神経管閉鎖障害と呼び、上部部分で閉鎖されない場合は無脳症、下部部分で閉鎖されない場合は二分脊椎症を発症します。無脳症の場合は脳が形成不全となるため流産や死産となってしまうケースが多くなる一方で、二分脊椎症の場合は本来脊椎の中にあるべき脊髄が脊椎の外に出てしまうため、様々な神経障害を引き起こしてしまうこととなります。
2.2 虚血性心疾患リスクの上昇防止

虚血性心疾患とは、動脈硬化などが原因で心臓にうまく血液が運ばれないために引き起こされる疾患のことで、狭心症や心筋梗塞などを意味します[5]。
肌のターンオーバーなど我々の皮膚が形成される際にはシステインという物質が重要な役割を担っていますが、このシステイン生成にはホモシステインという物質が密接に関わっています。
ただし、ホモシステインそれ自体は血液中濃度が上昇すると動脈硬化を引き起こす危険性を有しており、肝臓でメチオニンという無害な物質に変換されます。
そして、このホモシステインをメチオニンに変換し、無毒化するプロセスに葉酸が密接に関わっているため、何らかの理由で葉酸が欠乏すると体内でホモシステインが過剰となり、虚血性心疾患リスクが高まってしまうのです[6]。
実際に、国立がん研究センターが5つのグループを調査した結果によれば、統計学的に有意な関連は見られなかったものの、葉酸を摂取するグループは摂取しないグループに比べ心筋梗塞を発症するリスクが低減する傾向が見られました。また、最も摂取したグループは最も摂取しなかったグループに比べ、心筋梗塞の発症リスクが40%程度低減したとされています[7]。
ただ、心疾患のリスクを確実に低減させるかという点については、いまだ科学的に結論付けられていませんので、注意が必要です。
3. 摂取目安量と服用時の注意点
3.1 摂取目安量

我々の体に必要不可欠な葉酸ですが、一日あたりの摂取目安量についてはどのようになっているのでしょうか。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」によれば、その量はおおよそ成人男性、女性ともに240μgとされています[8]。
ただ、妊娠前の女性や妊娠中の女性は480μg、授乳中の女性は340μgの摂取量が推奨されており、積極的な摂取が望ましいとされています。
3.2 服用時の注意点

厚生労働省は摂取量の上限についても公表しており、成人男性、女性ともに1000μgとされています。
ただし、上記と同様ですが、妊娠前、妊娠中や授乳中の女性に関しては特に上限量が設けられていません。これは、葉酸は水溶性ビタミンであることからも体内に吸収されない場合は尿中に含まれる形で体外に排出されることに関係しています。
常識的な範囲であれば、葉酸を過剰に摂取している場合よりも過少に摂取してしまっている場合の方が胎児に悪影響を及ぼすリスクが高いと考えられるため、妊娠前後の女性は特に積極的に摂取されるとよいでしょう。
4. 利用者の口コミや感想
葉酸の効果は上記のように様々な効果が研究では実証されています。しかし、研究と現実は結果が違うことも少なくありません。そこで、実際の葉酸の利用者が投稿した口コミを調査しました。
妊婦さんに葉酸が必要なのはよく聞きますが、妊娠前1ヶ月から妊娠3ヶ月までの間が特に重要と聞き、妊活中から出産まで葉酸摂取のために飲んでいました。
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妊娠中は取りすぎない方がいい栄養素などもあるのでサプリ選びは慎重になりますが、公式HPによるとこちらは妊娠中・授乳中も大丈夫との事で安心してして飲めました。
妊活中・妊娠中の方向けサプリは高額な物が多いので、こういう続けやすい価格のサプリは助かります。
妊娠中の為に購入しており、効果はわかりませんが
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薬局よりもお得に購入できて、シンプルなサプリメントなので気に入ってます。
やはり妊娠中、妊娠前に購入される女性が多いようです。
一点留意されるべきポイントがあるとすれば、妊娠が判明した時点ですでに胎児の成長は進んでおり、上記で取り上げた神経管が形成されつつあります。したがって、妊活中の方などは妊娠前の段階から葉酸を積極的に摂取されることをオススメします。
当方、男性ですが、第二子になかなか恵まれず、葉酸を精子の質改善の目的で飲用しています。第二子不妊の原因は分かりませんが、この一年は不妊治療を受ける代わりに、栄養面・生活習慣の改善からアプローチすることを夫婦で確認し、亜鉛と葉酸を合わせて摂る事にしました。サプリメントなので実感できる効果はありませんが、良い結果となることを願って。
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男性の場合は摂取目安量が妊娠前後で大きく変化することはないですが、パートナーと一緒に摂取されている方もおられるようです。ただ、不妊治療の効能という観点では葉酸よりもカルニチンの摂取を男性の方にはオススメしたいと思います。
5. 【オススメ】人気の葉酸サプリ3選
実に多くの葉酸サプリがありますが、口コミなどを調査する限り、下記の3つのサプリが特にオススメです。Amazonや楽天などで簡単に購入することができますのでこの機会にご検討されてはいかがでしょうか。
5.1 ディアナチュラ 葉酸 60粒(60日分)

ディアナチュラはアサヒグループ食品株式会社が提供するサプリシリーズですが、この葉酸60粒分には葉酸だけでなく、ビタミンB6やビタミンB12などその他のビタミンも含まれているため不足しがちなビタミンを網羅的に摂取することができます。
また、日本健康・栄養食品協会の認定「健康補助食品GMP」を取得するなど、日本国内の工場で一貫した管理体制の元で製造されているため、品質面では特に安心です。
◉価格:¥583
◉総量:60粒(60日分)
◉1日あたり摂取量:1粒
◉1日あたり費用:10円程度
◉URL:https://amzn.to/2FFHXLi
◉購入方法:Amazon
5.2 ピジョン サプリメント 葉酸カルシウムプラス 60粒入

このサプリの特徴は、葉酸やビタミンB群だけでなく、カルシウムや鉄分なども含まれているため、不足しがちな栄養素を網羅的に摂取することができる点です。
また、えびや小麦など主要なアレルギー物質(27品目)を含む原材料を使用していないため食物アレルギーなどを引き起こす可能性について心配することなく摂取することができます。
上記のディアナチュラよりも少し割高ですが、サプリとしてカルシウムや鉄分も合わせて摂取したい方に自信を持ってオススメできる商品の一つです。
◉価格:¥1,598
◉総量:60粒(30日分)
◉1日あたり摂取量:2粒
◉1日あたり費用:50円程度
◉URL:https://amzn.to/31XGp8S
◉購入方法:Amazon
5.3 AFC mitete 葉酸サプリ 30日分 3個セット

AFCは静岡に拠点を置く、健康食品や化粧品の製造販売会社ですが、国内工場は日本健康・栄養食品協会の認定「健康補助食品GMP」を受けるなど、一貫した管理体制の元で製造されていると言えるでしょう。
このサプリの特徴は葉酸だけでなく、カルシウムや鉄分はもちろん、その他のビタミンやミネラルも豊富に含んでいる点にあります。ミネラル成分としてはマグネシウムや亜鉛、セレンなども含まれているため、葉酸だけでなくこれらのようなミネラルも合わせて摂取したい方にオススメできるサプリです。
◉価格:¥5,184
◉総量:360粒(90日分)
◉1日あたり摂取量:4粒
◉1日あたり費用:55円程度
◉URL:https://item.rakuten.co.jp/afc/06651×3
◉購入方法:楽天
※個々のサプリをご購入される際は、安全性や副作用などの危険性、不明点などを各メーカーのホームページなどでも十分ご参照ください。
6. まとめ
様々な効果が科学的に実証されている葉酸ですが、一日あたりの摂取目安量は成人男性、成人女性で200μg、なかでも妊娠前後の女性は480μg程度とされています。
胎児の健全な発育に重要な役割を担っていますが、一方で虚血性心疾患リスクの上昇を防止するなどの効果も期待することができるため、これらの健康状態が気になる方に特にオススメです。
商品を選定する際は、一粒あたりの葉酸含有量や価格、合わせてどのような栄養素を摂取したいかなどを総合的に考えて購入されるとよいでしょう。