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美容や高血糖対策に極めて重要!?ビタミンB7(ビオチン)の効果とは

ビオチンの効果
Written by Kazuhito Sakai

「肌荒れが悩ましい…」「肌がカサカサしているからか、ささくれがひどい…」こんなお悩み、ありませんか?

肌が荒れると、痛みや痒み、といった物理的なストレスだけでなく「周りからの見た目」という精神的なストレスも加わることがあります。そうなると、実に辛いもの。特に人の目にさらされる部位は、常に軟膏などを塗り続けるわけにもいきません。
そこで、肌のお悩みを「根本から」治すための栄養素を調査しました!

今回取り扱うのは、「ビオチン」として有名なビタミンB7
では、学術論文や実態から、ビタミンB7の働きをまとめてみます。

1.ビタミンB7とは

1.1ビタミンB7について

ビタミンB7 サプリメント

ビタミンB7は、「ビオチン」と広く呼ばれているビタミンです。古くは、ビタミンHとも呼ばれていたそう。主に、肌や粘膜の維持、髪・爪の発育に大きく関わっており、不足すると肌荒れ、結膜炎、脱毛、知覚過敏、免疫低下などが起こります。近年では、「美肌になる栄養素」としても注目されており、様々なサプリメントが製造・販売されています。

そんなビタミンB7ですが、ビタミンB群としては珍しく体内の腸内細菌によって生成することが可能。
一般的に、腸内細菌と人間は共生関係にあります。そう思うと、ビタミンB7は身体にとって、他の栄養素以上に優先して吸収しなければならない栄養素なのかもしれません。
では、ビタミンB7はどんなときに不足する傾向があるのでしょう?

参考:Janos Zempleni,Subhashinee S.K.Wijeratne,Yousef I. Hassan「Biotin」,2009 [1]

1.2 ビタミンB7が不足するときはどんなとき?

ビオチン

ビタミンB7は体内の腸内細菌によっても生成されます。それもあり、不足することは少ない、と言われています。
しかし、いくつか不足するケースが。それは、「膵臓(すいぞう)」が何らかの原因で悪くなり、ビタミンB7を分解する「ビオチニダーゼ」という酵素が分泌されなくなる場合、そして「生卵白(卵の白身」」を大量に摂取し続けている場合です。
まず、前者の場合ですが、ビタミンB7には、それだけでなくいろいろなものが「くっついて」おり、吸収することが難しいです。ビオチニダーゼは、その「いろいろなもの」を切り離す作用があります。その作用があってこそ、ビタミンB7は身体に吸収されます。逆に言えば、ビオチニダーゼがなければビタミンB7を吸収することができないのです。
さて、後者の生卵白には「アビジン」というタンパク質が含まれています。アビジンは非常にビタミンB7と結合しやすく、二つが結合すると単純に物質が「大きく」なります。

私たちの身体は、食べ物が大きくなればなるほど飲み込むことが難しくなります。それと同じで、複数の物質が結びつくと、吸収しにくくなり、「栄養素の不足」が生じてしまいます。
ただ、ビタミンB7欠乏症が生じる生卵白の摂取基準は一日に10個以上とのこと。
ビタミンB7を積極的に摂取したいときは、留意する必要がありそうです。

参考:
Oregon State University「ビオチン」[2]
国立栄養・健康研究所「『健康食品』の安全性・有効性情報 ビオチン 解説」 [3]

2. ビタミンB7摂取の主な効能

さて、肌や粘膜の維持、髪・爪の発育などに効果があるとされるビタミンB7
意識的に摂取すると、具体的にどんな効能があるのでしょうか?
ビタミンB7摂取に関する研究論文を調査してみました!

2.1 美肌効果

ビオチン 美肌効果

ビタミンB7は、不足すると皮膚に赤い発疹ができることが知られています。[4] また、近年、皮膚に赤い発疹が見られる患者にビタミンB7を投与すると発疹が消えることも確認されています。[5] 
そのことから、ビタミンB7は皮膚の健康に何らかの作用を働かせている、と考えられています。
ビタミンB7を摂取すると「肌年齢が若返る」というわけではありませんが、他の人が観て「綺麗」といわれるような美肌効果は期待できます。もし、今現在ニキビや吹き出物、皮膚炎などでお悩みの方は摂取を検討されても良いかもしれません。

2.2 脱毛、爪の質改善

ビオチン 脱毛 爪の質

ビタミンB7の欠乏は、抜け毛や「爪がもろくなる」症状を引き起こす、と報告されています。[6][7]。特に、最近急に抜け毛が気になり始めた…、という方はビタミンB7が不足している可能性があります。また、ビタミンB7は、古くから「爪を厚くする(丈夫にする)」効果がある、と研究[8]で示されています。「爪」のストレスとしてよくあるのが、「爪の薄皮が剥がれてくる」症状。爪の皮が剥がれると、見た目もあまりよくない上圧倒的に強度が損なわれます。爪が「ふにゃふにゃになった」経験がある方も多いのではないでしょうか?
ビタミンB7は、そんな「爪の組織剥離」の治療に効果があるそう。ビタミンB7をどれだけ摂取すれば最も効果があるのか、また効果が薄いのかは未だ研究段階ですが、サプリメント等によるビタミンB7の摂取をすると、多くの場合1/4ほど爪が丈夫になり、薄皮の剥離も抑えれられる、とのことです。[9]

脱毛や爪がもろくなり始めたならば、ビタミンB7をいつも以上に摂取されると良いでしょう。

2.3 糖尿病対策

ビオチン 糖尿病対策

ビタミンB7は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を助けることがわかっています。[10]
 一般に、食事をすると血糖値が上がります。ハンバーガーやポテトなどを食べた後、異様に喉が乾いたり、頭がクラクラしたり、眠くなったりする…という症状は、まさしく血糖値の上昇によるもの。上がった血糖値を下げるため、膵臓から放出されるのがインスリンです。
そして、インスリンが分泌しにくくなる症状が、「糖尿病」と呼ばれる病気です。ビタミンB7は、インスリンの分泌を助けることで糖尿病に効果があります。
糖尿病でないにしても、炭水化物の多いものを食べるとクラクラする、冷や汗的なものが出る、とにかく眠くなる、喉が乾くなどの症状にお悩みの方はビタミンB7を摂取すると改善される可能性があります。

3. ビタミンB7の摂取目安量と注意点

3.1 摂取目安量

ビオチンの摂取目安量

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」[11]によると、ビタミンB7の摂取目安量は

男性(18歳以上):50μg/日
女性(18歳以上):50μg/日

※乳幼児、小児の方は推奨摂取量が異なります。厚労省サイトでご確認ください。

とされています。
ビタミンB7を50μg/日摂取するには、
・豚肉  約50g
または
・落花生  約50g
または
・カレイ(魚) 約2尾
等が必要です。

普段の食事で十分に摂取できるように思われます。
しかし、もし肌荒れや高血糖等に心あたりがある場合、サプリメント等でビタミンB7を多めに摂取することをオススメします。ビタミンB7は、後述しますが過剰摂取の心配がない栄養素。多めに摂取することに関しては、デメリットはないと考えられます。

3.2 ビタミンB7摂取の注意点

ビタミンB7 摂取の注意点

ビタミンB7は、ビタミンB12等と同じ、水溶性のビタミンですので過剰に摂りすぎても体外に排出されます。論文を調査しても、ビタミンB7過剰摂取による副作用は報告されていません。

また、ビタミンB7は無色ですので、体外に排出されたかどうかは肉眼ではわかりません。ビタミンB7摂取の注意点として、ビタミンB7は酸やアルカリ、光には安定していますが熱には不安定です。食品を熱したり、加工したりするとビタミンB7は損失しますので、その点のみ注意が必要です。

4. 利用者の口コミ・感想

以上、ビタミンB7の摂取は「美肌効果」や「爪・髪の質向上」、「糖尿病対策」に役立つことがわかりました。しかし、それは「理論上の」もの。体験としての実態はどうなのでしょうか?
また、普段ビタミンB7を摂取している方はどのような目的でビタミンB7サプリメントを利用していることが多いのでしょうか? 

ビタミンB7のサプリメントを利用された方のレビューを調べてみました!

髪の毛が艶やかに、そして美肌になるとのことで、ビタミンCと乳酸菌と合わせてします。髪の毛には効果がある感じがします。去年ストレスででた白髪が、また根元から黒い髪の毛に戻ってきてホッとしてます。食事と睡眠、栄養管理も合わせていきます。

Amazon

長い間愛用しています。ネイルを欠かさないので爪が弱くなり飲み始めました。まだ爪は欠ける事はありますが以前に比べたら強くなってる様な気がして飲み続けています。髪は…余り変わらないかな?

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まつげにいいと知り購入しました。手荒れも治りが早い気がするのと、爪も丈夫になり髪や体毛も早く伸びるようになり肌や髪への効果は出てるのかなと思います。

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実態を調べると、ビタミンB7爪・髪の質改善、肌荒れ改善等を目的に摂取している方が多いとわかりました。
また、その効果も一定数報告されています。特に髪に関しては、「白髪」対策として摂取している方も見受けられます。

5.筆者オススメサプリメント3選!

「コストパフォーマンス」「品質」「美肌効果」の面からおすすめのサプリメントを紹介します!基本、Amazonで入手できるものに絞りました。
ビタミンB7サプリメント選びのご参考になさってください!

5.1 PURITAN’S PRIDE スーパービオチン(ビタミンH) 5000mcg 120錠入り

ビオチン サプリメント①

コストパフォーマンスでおすすめなのが、PURITAN’S PRIDE(ピューリタンズ・プライド)提供のこのサプリ。
ビタミンB7をとにかく多量に含み、さらに低価格。少し粒が大きく、飲みにくいですがビタミンB7の効果を試すにはうってつけ。ピューリタンズ・プライドはアメリカで45年以上サプリメントを提供してきたいわば「ベテラン」で、安全性も確認されています。
ビタミンB7の効果をお試ししたい方にぜひオススメしたいサプリメントです。

◉価格:¥1,089
◉総量:120粒(120日分)
◉1日あたりの摂取量:1日1粒
◉1日あたりの費用:約9円
◉URL:https://www.amazon.co.jp/スーパービオチン-5000mcg-120錠入り-PURITANS-PRIDE社製/dp/B00CM6Y0EC/ref=sr_1_118?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=ビオチン+サプリメント&qid=1584980451&sr=8-118&swrs=983967734F9962D29728C0F4764B129E
◉購入方法:Amazon

5.2 ナウフーズ ビオチン(ビタミンH) 5mg 120カプセル

ビタミンH サプリメント②

品質面でおすすめなのがナウフーズ社提供のこのサプリメント。
ビタミンB12の記事や他の記事でも何度か紹介しているメーカーです。ナウフーズ社は、アメリカで1、2を争うほどの大手サプリメントメーカー。
その理由は、「低価格」ながら「高品質」であることによります。そのサプリは医薬品基準で製造されており、錠剤一つ一つに品質のバラ付きがないことが特徴です。

◉価格:¥1,230
◉総量:120粒
◉1日あたりの摂取量:1日1粒
◉1日あたりの費用:約10円
◉URL:https://www.amazon.co.jp/NOW-Foods-0474-ビオチン(ビタミンH)-5000mcg(5mg)カプセル120粒(ナウフーズ)/dp/B000BY2N7S/ref=sr_1_5?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=ビオチン+サプリメント&qid=1584975370&sr=8-5&swrs=983967734F9962D29728C0F4764B129E
◉購入方法:Amazon

5.3 Enzymatic Therapy ビオチンフォルテ 3mg+亜鉛 60タブレット

ビタミンB7 サプリメント ③

「美肌効果」の面でオススメなのがこのサプリ。
オススメな点は「美容」に関係するとされる成分の多くを同時に摂取できること。また、砂糖や塩など、「無駄な」原料が使われておらず、サプリ自体が「美容」に専念するようつくられています。製造元のEnzymatic Therapy(エンザイマティック・セラピー)というメーカーは、1981年にアメリカで創設され、最新の研究を真っ先に用いてサプリメントづくりを行ってきた会社です。
それだけに、「効果が出る」ことに忠実にサプリ開発がなされています。「美容」に確かな効果を期待したい方にぜひオススメしたいサプリです。

◉価格:¥1,546(内送料 ¥510)
◉総量:60粒(60日分)
◉1日あたりの摂取量:1日1粒
◉1日あたりの費用:約26円
◉URL:https://www.amazon.co.jp/Enzymatic-Therapy-ABK109801-ビオチンフォルテ-60タブレット/dp/B000NYG7JG/ref=sr_1_152?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=ビオチン+サプリメント&qid=1584980451&sr=8-152&swrs=983967734F9962D29728C0F4764B129E
◉購入方法:Amazon

6. まとめ

いかがでしたか?ビタミンB7は、肌や粘膜の維持、髪・爪の発育、またインスリンなどホルモンの分泌に大きく関わる栄養素です。不足すると、肌荒れや脱毛、爪の貧弱化や糖尿病症状がみられます。また、膵臓の機能が低下すると吸収されにくくなる栄養素でもあります。

ところで、アニメ化、映画化もされた『君の膵臓をたべたい』という小説をご存知でしょうか?そこでは、ヒロインの山内桜良が「膵臓が悪くなってエネルギーを吸収できなくなる(つくれなくなる)」病気に罹っています。作品ではどんな病気かは明言されていませんが、ビオチニダーゼがつくることができなくなり、ビタミンB7が圧倒的に不足、糖尿病となる病気であるとも考えられます。私にはそこで描かれる桜良の「症状」とビタミンB7が不足し、「高血糖」状態となる症状は極めて酷似しているように思えるのです。ある程度の外出はOK、食事制限はなし、たまに気分が悪くなる。遠出となると、多量の薬と注射器を持ち歩く必要がある…。もしかすると、その「多量の薬」はビタミンB7の医薬品錠剤で、注射器は血糖値を下げるインスリンを投与するための道具だったのかもしれません。

ビタミンB7(ビオチン)は身体にとって重要な栄養素であるとともに、美容に役立つことさえあります。普段の生活で、ビタミンB7をどれだけ摂取したか、またどれだけ摂取したいか、意識を向けていただければ幸いです。

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Kazuhito Sakai